(vol. 5 / 10)
いざいざ、井戸掘りへ!
ところで、水道のない周辺の畑はどうなってるの?
早速周辺の畑調査。
ほとんどの畑では2~3個の古い浴槽に雨水をためておられました。
中には下写真のとおり、
ゴミバケツを地中に埋めて地中からしみ出てくる湧水をためている畑もありました。
これは参考にと写真撮影。
ところが、これがまずかったのでした。
撮影後、この畑の農家さんが大激怒!(写真右の人影の方)。
“何を勝手に撮っとんねん!
そもそもだれが畑に入ってええ言うた!
今すぐ出ていけ!二度と顔見せるな!”
“すいませんでした”
平謝りの上、そそくさと退散。
しかし恐ろしかったです・・・はい。
でも“湧水を溜める方法”、しっかりと参考にさせていただきます。
先ほどの農家さんのあまりの剣幕にびびりながら、
とぼとぼと対象地に帰ってきました。
しばらく対象地内部をうろついていると、そこには井戸枠が!
これは井戸?井戸だったら使えるやん!
地主様に確認してみると”そんなもんあったっけ?”とのこと。
その後の調査で、これは俗に言う“野つぼ”といわれる“肥溜め”であったことが判明。
う~ん、井戸じゃなかったのね、残念・・・。
以上のような調査結果から、
水を確保する現実的な方法としては次のような方法しかなかったのが実情でした。
1.雨水を溜める
2.地中の湧水を溜める
3.田植え時期の6月~9月にかけては水路に流れてくる農業用水を利用する。
まずは1.雨水を溜める方法
対象地と同規模の周辺の畑には、
雨水を溜める古浴槽が2個~3個設置されていました。
それでも農家の方いわく
“夏場はどうしても水が枯れてしまう”とのことでした。
“それじゃ、古浴槽を4倍の10個程度置いたらどう?
でも場所をとるし、そもそも貸し農園としては見映えがよくないよな・・・。”
そこで、雨水を溜める大きなタンクを購入することにしました。
しかしこれが結構なお値段。
農園の継続期間にもよりますが、水道料金の方がよほど安くつくかもです。
ただ、水道のない地域。背に腹は替えられません。
今現在ではフルに活躍してくれています。
雨が全く降らない時期を考慮し、
次は地中の湧水を溜める方法を模索。
まずは、対象地周辺の地下水の状況に詳しい井戸業者さんにヒアリング。
その結果、草部では地下100m以上掘らないと
安定的に供給される地下水が出てこず、
100m掘るには数百万円の費用がかかるとのこと。
安い利用料金での貸し農園を目指す弊社にとっては
あまりにも非現実的な金額。
井戸掘りを井戸業者さんにお頼みするのは断念せざるをえませんでした。
試行錯誤の結果、自力で井戸を掘ってみることに決定!
下写真のような井戸堀器を自作の上、いざ井戸掘りへ!
前掲の自作の井戸堀器で直径20cm程度の穴をグリグリ、グリグリ・・・
ひたすらグリグリ掘り下げました。
すると、地下1m程度のところで地中からの湧水がみるみるうちに溜まってきました。
“この調子なら10mも掘り下げればかなりの湧水を溜めることができるかも”
がぜん調子を上げ、それから3週間もの間ひたすらグリグリの毎日。
その甲斐あって、結局は地下14mまで掘り下げることができ、
浴槽2杯分ほどの湧水を確保することができました。
今現在では下写真のとおり昔ながらの“ガチャポン”を設置の上、
利用しています。
ただ、この井戸掘り作業は体力的・精神的にかなりキツイ!
もう二度としたくない作業の一つです。